第1章 ♡ 好きって言ってよ【赤葦京治】
「...いいの?」
驚いたよう顔をする京治に、頷いて返事をする。
だんだんと激しくなる腰の動きに、私の頭も真っ白になる。
『...んっ、あっ、京...治っ。』
「...っ、やば、ごめ、俺余裕ないっ...。」
苦しそうに顔を歪める京治。
そして、ゴム越しに暖かい感覚が伝わる。
「っ、はぁっ...。」
『...ん、おつ、かれ...。』
吐息混じりに返せば、「煩いよ」と暖かい声が降ってくる。
あぁ、幸せだなぁ。
『京治...。好き。』
「え?何急に?」
...つれないなぁ。
さっきの余裕がない京治とは打って変わって済ました顔をしている。
ふくれる私をよそに、京治は、ササッと着替えて後処理をしている。
『京治...っん...。』
私が名前を呼ぶと同時に突然キスしてくる京治。
『え?...え?』
「いつまで裸でいるつもり?」
『...え。』
まだ着替えていない私に布団を被せる京治。
「あのさ、俺そんなの黙って見てられるほど理性的じゃないよ?」
私に向けられたのは、シテた時と同じ、“余裕のない”顔。
それは、京治に溺れ出す、3秒前。
fin.