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あなたの隣で
第1章 大きな手
もう少しで家に着くところで、
「あ!としみつ!」と言って前から来た女の人が自転車を降りた。
『おぉ、やっほ。』と笑顔で答えるとし君。
同じ高校の友達のようだ。
「家この辺なんだねぇ、あたし塾に行くとこ! 隣の子、妹さん?可愛い!」
『うん、妹みたいなもん。バカ可愛いだろ。塾とかよく行くよなぁ…』
心がズキズキと痛かった。
私ととし君ではカップルには見えないし、
とし君にとっては妹でしかないという現実。
同級生の女の子と楽しそうに話すとし君は、
私の知らない人のように見えた。
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