第3章 (日)日常衝動破壊予感(ストーカー)
晴れた空の下を歩いて、着いた場所はゴミ捨て場。
貴女はいつもこの場所に捨てて行くんですよね。言わずともわかっています、流石私です。
ひとつ掴んで持ち帰る。何だか重たいですね。今日は何が入っているのでしょう。
でも、この重さも彼女が無事に暮らしている証。
そう考えたら自然と笑みがこぼれました。
帰って袋を丁寧に開ける。彼女の細い指がこれを閉じたのだと思うと表情が柔らかくなります。
今日は生ごみが多いですね。キャベツの芯、人参の皮。ちゃんと自炊されているようで。良い子です。
コンビニ弁当は一つだけ。毎日家に帰ってから夕食を作るのは大変でしょう。
私の家に来てくだされば、夕食くらいいくらでも用意してあげますのに。
ふと、手が止まった。くしゃくしゃに丸められたメモ用紙。
それに嫌な予感がして、手に取ってそっと広げてみる。
そこには走り書きで、
「11時に駅前 大好きな彼氏とデート!」
の文字。そして極めつけにハートが。
「…………」
途端に、ざわりと全身を何かが駆けました。
周りが見えなくなります。耳が聞こえなくなります。声が出なくなります。何か重たいものを腹に抱えたような、それが一瞬で暴れ出したような、何かが切れたような、何かが繋がったような、
溢れたのは、笑いでした。
「…ふふ」