第15章 (日→黒日)本田菊について検証してみます
人格その2。
「絶対領域萌え眼鏡萌え猫耳萌えメイド萌えツンデレ萌え2次元萌えです!オタク国家で何が悪いんですか!」
これで全てを察して欲しい。
何かのきっかけでスイッチが入ってしまうオタク菊、これが2つ目の人格だ。
「璃々さんさあ早くこれを!」
「嫌だ嫌嫌絶対着ないそんなの!ねえ菊落ち着いてよ!」
「拒否します。到って落ち着いていますし通常運転ですので。仕方ありません、そこまで嫌なら私が脱がせる迄」
「えっ待っわぁ!」
「良い、すごく良いです違和感仕事しろ」
「いやぁああああ変態!変態オタク!ちょっ引っ張んないで!」
「璃々さんの泣き叫ぶ姿はぁはぁ!あっもう少しこちらを振り返る感じでお願いします、服脱ぎかけた感じで、はい撮りますよ目線くださーい3、2、1」
「にーにぃぃ助けてええ!!!」
「いいぞもっとやれ」
パソコンに向かったりフィギュア愛でたりしてるのはまだいい方、テンションが上がって一度スイッチが入ると見境が無い。逃げるのにすごく困る。
ただこれは2次元萌えを目の当たりにした時によく出てくる人格なので、ある程度は防衛策が取れたりする。
自室にこもってドアもきっちり閉めた時は要注意。パソコンで萌えネサフしてるか原稿してるかそれ関係だから。
最後、第3の人格。
これが一番厄介かもしれない。普段の菊を知っているだけに。
昼夜問わず現れ、どういうシチュエーションで出るのかさっぱり予想がつかず、ただその人格が現れた時は表情でわかる。
いつも穏やかな目が鋭さを増し、蠱惑的な笑みを浮かべているから。
「………あの、菊」
「何です」
「どいてくれないと帰れないんだけど」
「御断りですね。帰るのは許しません」
私の手を掴んでいるのはまあ良い。ただ、零距離まで近づいて間近で私を見つめるのはやめて欲しい。床に座っている私は、じり、と足を後退させる。
黒菊様だ、と私は思った。目の色がまるで獣だ。
この時の菊は相手を気遣う姿勢など全く見せず、ひたすら押して迫ってS全開になる。
逃げようとしても楽しそうな顔をしながら易々と捕まえてくるのだ。