第15章 (日→黒日)本田菊について検証してみます
「今日は泊まって行きなさい。この気温、人肌が恋しい夜だ」
「それ、男女だとやばくないですか」
「貴女は何を想像しているんです。ふふ、やましい事でもされたいのですか?」
「私相手にそれはないでしょう」
「わかりませんよ。だって私は…」
中途半端な言葉を残して更に近づこうとする菊から逃げようと、彼の胸を押し返しながら後退る。
それでも相手が近づくものだから、私はやばいと感じ抜け出そうとした。
けれど、押し返していた手首を菊に掴まれ、立ち上がる瞬間腰を拐われて、気付いたら目の前には至極愉しそうに笑む菊と天井。
「…菊、酔ってるの?」
「酔ってなどいません。貴女こそ酔っているんですか?そんなに顔を赤くして…」
「どいてよ」
「断る」
「なんでよ」
「無論、気分が乗ってきたからです」
口調は命令が多くなり、時々敬語が抜け、声か幾分低くなり。
正直格好良さと色気がハンパない。だけど、そう、美しい見た目で相手をたぶらかすような、毒を含んだ花のような、そんな得体の知れない危機感を含んだ様子に、私はいつも戸惑う。
これが、あの菊なんだろうか。八つ橋は旅に出て遠回しな言い方が消えて。
「…そういえば、菊が大好きなキャラいるでしょ、あの青緑の髪でミニスカでシャツでニーハイで歌が上手い子」
「それがどうしました」
「新しくフィギュア出るらしいよ。ポスター貼ってあった」
「なんですって!ちょ、どこです何処で見たんですか、どんな服でしたかどんなポーズでしたかそこの辺りをもっとkwsk!」
だけど結局は菊なので、私は最近話題を逸らして人格も逸らせる術を心得てきていた。
そんなこんなです。
2014/
(終わり方わかんなすぎて没ったやつっていうかいろいろ死語が爆)