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【APH】本田菊夢 短~中編集

第13章 (黒日)常の夢 (主人と召使い)




もう耐えられない、と私は拳を握り締めた。
私に対する、最近の彼の暴力といったらないのだ。言葉でも力でも私を踏みつけ、上から見下ろして笑って詰って。

一体いつからだろう。
仕えた当初の彼はとても明るくていい人で、こんなにも素敵な人に尽くせるのだと私は自分の仕事に誇りを持っていた。
なのに、仕事に慣れ、時が過ぎるのにつれて。
失敗すれば嫌味を言い、何かにつけて私を呼びつけ、時折いやらしい手つきで腰を撫で、嫌がれば「主人を拒否するのか」と叩かれる。
そんな日が続いていた。


不意にりぃんりぃん、と鈴の音が鳴り響き、私の肩は跳ねた。
御呼び出し、だ。

「…………はあ」

早く行かなければ遅いと罵られる。だからといって走って行っても「其れほどに私の元へ来たいのか」とにやりとされるか、それでも「遅い」と言われるか。
いずれにしろ何か言われるのだ。足早に私は彼の元へ向かった。
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