第6章 (日)亡想 (ネクロフィリア的狂愛)
玄関を開け、靴を脱いで上がり、冷たい床を歩いていく。
静かな室内、会議から帰った私は寝室へ向かいます。
「ただいま帰りました」
声をかけても、帰ってくるのは暗い室内、静寂だけ。それでも私は満足でした。
暗い寝室に明かりをつけると、床に敷かれた布団、そして横になっている貴女。
変わらない姿に私はほっと肩の力を抜く。
「今日は冷えますね。アルフレッドさんが騒いでいましたよ」
言いながらスーツの上着を脱ぎ、上まで締めたネクタイに指を引っ掛け緩めて。
布団の横に腰を下ろすと、私は愛しい姿を微笑まし気に見つめました。
「帰るのが遅くなってしまってすみません。…ああ、身体がこんなに冷たい。今暖房を付けますから」
文明の利器であるエアコンのスイッチを入れ、私は冷たい璃々さんの手を握る。
少しだけ今日あった出来事を話して、話してからたいした出来事などなかった事に気付いて、まあいいです、と思い直した。
綺麗な白い貴女の顔を見つめます。貴女がいてくだされば、他はどうでもいいんですよね。