• テキストサイズ

夢追い人の君へ捧げる【進撃の巨人 エルヴィン】

第10章 ナナシとの関係











「この皮剥きは夕食時には本部に帰らなければならない私への
当て付けだろうか?食べられもしない夕食の準備をさせるなんて、
何て酷い子なんだ。折角再会出来たというのに、
この冷たい仕打ち・・・・酷すぎる!」


メソメソと女々しい文句を言うエルヴィンは、
はっきり言ってうざい。

ハンジでさえエルヴィンの泣き言にゲンナリしながら、
「この女々しい男を何とかしてほしい」とナナシを見た。


ナナシは大きく溜息を吐くと、エルヴィンに向き直り
我儘な子供を持つ親の気持ちになりながら
「お主の夕食は弁当として持たせてやるから機嫌を直せ」と
頭を撫でた。


「本当か?ナナシ」

「あぁ、勿論。・・・・ただし、有り金全部置いてってくれ。
金が無くて困っているんだ」

「・・・・・・・・」


少し感動したのに、ナナシから発せられた言葉は
全然甘いものではなかった。


「どうしよう・・・ハンジ。私は今恋人から恐喝を
受けているのだが・・・・」

「知らないよ。どうせ、何だかんだ言ってお金置いていくんでしょ?」

「置いてはいくが・・・もうちょっと、こう・・・
可愛らしくおねだりされたかったというのが本音だ」

「それ、あたしに言わないでナナシ本人に言いなよ。
つーか、痴話喧嘩に巻き込まないで」


さっさと食事の準備に戻ってしまったナナシの後ろ姿に
溜息を吐きながら、エルヴィンは
「言っても多分可愛らしくおねだりなんかしてくれないよ」と
ハンジに零した。







/ 358ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp