第8章 ナナシの『伝説』
「元凶であるエルヴィン一人を殺さないように
繰り返し痛めつけるってのは、どう?」
あまりにも酷いハンジの代替案に、食堂内がシーン・・・と
静まり返った。
人間性の捨て方が明らかに間違っている。
ナナシは面白そうに目を細め、ハンジに問い返した。
「ほう?エルヴィン一人を拷問に掛けて良いんだな?」
「出来れば拷問って程、酷い事はしないで欲しいんだけどさ」
「お主の言う『痛めつける』程度がわからん」
「た、例えば、ナナシがエルヴィンに冷たくするとか、
目の前で誰かとイチャつくとか、そういう精神的拷問はどう?」
「それをやったら私にもしっぺ返しが来る」
「じゃあ、両手足の関節外してボコボコにするのも付けるっ!!」
「それだと、いつもと変わらん気がするが・・・」
恐ろしい相談をするナナシとハンジに、
リヴァイ班四人は震え上がった。
――恐いっ!!
団長の命が危ないっ!!
そうは思いつつ諌める言葉が掛けられないまま、この問題は
『エルヴィンをボコりたいだけボコって、本は全部回収して燃やす』
という事で何とかナナシの怒りを鎮め、ナナシにこの話を
リークしてしまったエレンは、
話を漏らしてしまったリヴァイ班によって
怒られる羽目になった(エレンは何故怒られたのか
理解していないようだったが)。