第27章 ●罪悪の時間
侵入した指が中で動き回っているのを感じながら、
何とか快楽を逃そうと唇を噛んで痛みでやり過ごそうとしたが、
彼の指が一点を触れた瞬間、全身をビリビリと電流が駆け巡り、
甲高い嬌声を上げる羽目になる。
「君は本当にここが好きだな」
グリグリと同じ箇所を攻められ、悲鳴に近い叫びが室内に響く。
すぐに二度目の射精をさせられ身体をグッタリさせていると、
エルヴィンは一旦指を秘部から抜き、力無く横たわるナナシを
抱き上げた。
「ここではいつ人が来るかわからないからね・・・」
そう言うと執務室の鍵を掛け、併設されている仮眠室へと
ナナシを運んだ。
エルヴィンはナナシの身体をベッドに横たえさせると、
チェストから小瓶を出して中身をナナシの下半身へと垂らした。
「ひぅ・・・っ!!」
火照った身体に冷たい液体を掛けられるだけでも充分な
刺激になってしまうナナシは悲鳴を上げ、これから自らを
襲う拷問を想像し涙する。
エルヴィンは、ナナシに対する効果的な拷問方法を熟知していた。
ナナシの身体は痛みに強いが、快楽には滅法弱い。
感じ過ぎるその身体を愛しく思う反面、善がっている
いやらしい姿を過去の恋人も見ていた事にどうしても
苛立ちが生まれてしまう。
「・・・何故、俺はもっと早く産まれてこなかったのだろうか・・・?」
ソロモン団長という男よりも早く産まれ、ナナシと出会えていたら
こんな苛立ちは生まれなかったのだろうかと詮ない事を考える。
独白のように呟かれた言葉はナナシに届く事はなく、
エルヴィンは黙々と身体を開かせる作業を続けた。