第27章 ●罪悪の時間
二人席に着いて夕食を食べ他愛も無い話をしていると楽しかったが、
ナナシはふとした瞬間家族同然の眷属の事が気に掛かり
気も漫ろになってしまう。
良くない事とはわかりつつも、エルヴィンと過ごす時間が
楽しくて・・・その楽しい時間が眷属達への罪悪感に
変わってしまうのだ。
食事も終わりナナシは食後のお茶を淹れながら、
ナナシがいなかった間のエルヴィンの話に耳を傾ける。
超大型巨人の出現、巨人化出来るエレンを巡る兵団の駆け引き、
エルヴィンの私生活・・・色々な話をゆっくり聞けて
ナナシは満足だった。
「君は離れていた一年半の間、何をしていたんだ?」
「・・・・・・・・・・・」
話の流れでそう尋ねられたナナシは返答に詰まった。
一年半の間、ナナシは投獄されていたのだ。
だが、それをエルヴィンに話すかどうか、この期に及んで
迷ってしまい
「・・・普通に・・・暮らしていた・・・」
と、嘘を吐いてしまった。
エルヴィンはそれを聞くと「そうか・・・」と悲しそうに
微笑った。
ナナシはその様子ですぐ嘘だとバレた事に気づき、
彼を傷つけてしまったのだと察したが、言葉が上手く出てこず
何から話すか頭を整理させる。