第27章 ●罪悪の時間
目を覚ますと仮眠室のベッドの上で、もう既に日が落ちていた。
何時かはわからないが、庭や兵舎内から聞こえる喧騒から
まだ然程遅い時間ではない事が知れる。
ベッドの上でぼんやりしていると仮眠室のドアがノックされ、
エルヴィンが顔を覗かせた。
ナナシが起きているのを見ると目を細めて笑い、
ツカツカとベッドの傍までやってきて膝をつき彼の顔を
覗き込むように見つめる。
「身体は大丈夫かい?今回は君の身体の負担にならないように
1回で終わらせたんだが・・・・」
「・・・・問題無い。それより・・・・」
ナナシが言葉を言い終える前に、くぅぅぅぅぅっとお腹の鳴る音がした。
「お昼・・・食べ損ねた・・・・」
お腹を抑えながらそう言うと、エルヴィンは破顔し
「君の食いしん坊は変わらないな」と何故かおでこに
キスを落とされる。
キスされた所を手で抑え、恨みがましく見つめると
エルヴィンは笑って「冷めてしまってはいるが、お昼の分も
取ってあるよ」と言って、甲斐甲斐しくナナシに服を着せ
始めた。
ナナシはいつも着ている黒いハイネックのインナー以外
着ていない状態だったらしく、よく見たらチェストの上に
服が畳まれていた。
抵抗するのも面倒だった為、着せ替え人形よろしく
大人しくされるがままの状態で、エルヴィンの好きなように
させる(流石に下着とスラックスは自分で穿いたが)。
スラックスを穿くと、ブーツを持ったエルヴィンが
当たり前のようにナナシにそれを履かせ、
ナナシは思わずクスリと笑ってしまった。