第26章 迷い
「本当に・・・大丈夫なのか?どこにも・・・行かないか?」
「私は信用が無いようだな・・・。まぁ、あんな事をして
しまったから当然と言えば当然かもしれないが・・・。
今は・・・お主に抱かれたい気分なんだ。終わったらお主は
仕事に戻れよ?」
クスクスと笑ったナナシに、エルヴィンは一瞬目を見開いたが、
躊躇いがちに唇を落とした。
チュッというリップ音の後、「誠心誠意、君を気持ち良くさせるよ」
という言葉と共にズボンと下着をずり下げ、もう立ち上がっている
ナナシのものを口に含んだ。
エルヴィンの巧妙な舌使いに、ナナシはあっという間に
果ててしまい羞恥心が湧いたが、すぐにどうでも良くなった。
正直、今は何も考えたくなかった。
二日前、ハンジとリヴァイに諭されてから様々な事を考えすぎて、
頭の中が混乱していたのもある。
考えても考えても解決する事のない問題から
逃げ出したかっただけかもしれない。
結局、エルヴィンに甘えてまた現実逃避した自分に嫌気が
差したが、途切れることのない快楽にナナシは思考を停止させた。