第24章 本音のぶつけ合い
「だから、何も言わず一人で抱え込んで消えるのは
無しにしてね。あたし達『仲間』なんだから」
「・・・・なかま?」
「そ!・・・っていうか何その反応・・・。ナナシは
あたし達の事仲間だと思ってくれてないのっ!?」
身を乗り出すハンジに、ナナシは少し言葉に詰まる。
半ば強引に調査兵団へ入った当初は本当にハンジ達を
『仲間』だとは思っていなかったとは言い辛い。
半年契約で教官になったものの種族が違うし、ナナシには
色々と隠し事が多過ぎた。
だが色々あって自分を受け入れてもらえ、ナナシの考えは
変わり、エルヴィン率いる調査兵団を守りたいと思うように
なったが、それはナナシの一方通行だと思っていた。
だから今、仲間と言ってもらえて嬉しすぎて、
すぐ言葉が出てこなかった。
「いや・・・まさか、仲間だって言ってもらえるとは
思わなかったから・・・・」
「えぇ!?何それ!ナナシはあたし達の仲間に決まってんじゃん!
だから、これからはあんま隠し事しないでよ?」
「・・・・善処する」
明言を避けたナナシにハンジは少しむくれたが、
今日は色々聞けて満足したのかそれ以上何も言わなかった。