第21章 男のロマン
「そして君にはこのレースがふんだんにあしらわれた下着が
似合うと思うのだが、是非着用した姿を見せてくれ!」
変な要求をしてきたエルヴィンに我慢の限界を迎えたナナシは、
彼の脛部分に強烈なローキックを叩き込み、痛みに屈んだ
彼の頭上から思いっきり打撃を加えて床に沈めた。
「先程も言ったが、お主はいらん事言わずにただ私に金を
寄越していれば良いのだ。今度余計な事ほざいたら、
こんなもんじゃ済まさんからな」
店内で暴れるなとか、お金だけはきっちりせびるんだね
とかいう考えがナナバ達の脳裏に過ったが、殺気立った
ナナシを前にそれを口に出す程命知らずではない。
ピクリとも動かなくなったエルヴィンをミケに押し付け、
ナナシは邪魔が入らないようにナナバとペトラを連れ
店の奥に向かった。
「馬鹿は放っておいてさっさと買い物を済ませよう。
嫌な予感がする・・・」
「そ、そうですね・・・・」
「賛成。調査兵団の団長が馬鹿だという噂が広がる前に、
買い物を終わらせよう」
ペトラとナナバの賛同も得られたので、手早く品物を選び
会計を済ませると、三人はエルヴィンが目覚める前に
次の店に行く事にした。