• テキストサイズ

夢追い人の君へ捧げる【進撃の巨人 エルヴィン】

第20章 それぞれの愛










新兵の立体機動戦を観察し終えたナナシは、
一人自室でデータを纏めるべく書類と向き合っていたが、
気になるのはエルヴィンの事だった。

エルヴィンにあんな顔をさせるつもりは無かったのに、
自分はいつも彼を傷つけてしまっていると思う。

だが、自分には彼に自分の罪過について教えるという選択肢は
存在しなかった。


「あ~っ!クソッ!仕事に集中しろ!!」


苛立ちで頭を掻き毟っていると、コンコンと扉がノックされ
ナナバがやってきた。


「ナナシ、そろそろ夕飯の時間だよ」

「あぁ・・・もうそんな時間か」


外を見れば夕日が沈む所で、自分は随分周りが
見えていなかった事を自覚する。


「では食堂に・・・」

「あぁ、ナナシは食堂じゃなくてエルヴィンの執務室に行って。
食事はそこに運んでおくから」

「・・・え・・・」


腰を浮かしかけた状態でナナバを凝視すると、
彼女は「エルヴィンが『ナナシと二人で食事したい』って
言ってたから」と言って去って行った。

いきなり気不味い状況に追い込まれたナナシは頭を抱えて
憂悶したが、逃げられないこともわかっているので渋々
団長執務室へと向かったのだった。




/ 358ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp