第17章 １０４期生

「この子に失礼だよ、ライナー」

「そうだぞ！おまえの好みなんか聞いてない」


ベルトルトとコニーが若干白い目でライナーを諌めると、
どこから調達したのかジャンがタオルでナナシを頭から
拭き始める。


「風邪引く前に着替えた方が良い。女子寮まで送ってやるから、
さっさと・・・」

「あーーーっ！！ジャン何やってんですかっ！？
それ私のタオルですよ！？」


ジャンの言葉を遮って絶叫するように声を荒らげたのは
ポニーテールの少女だった。

ジャンはチッと舌を打つと「今は緊急事態なんだよ！」と
言って少女に怒鳴り返す。

そんなジャンの態度にムカついたのか、
少女がズンズン歩み寄ってきて
「何が緊急事態なんですかっ！？」と彼の耳元で大声を上げた。


「うっせーな、芋女！！緊急事態は緊急事態だろうが！」

「芋女とは何ですか！？昔のネタをズルズル引き摺る男って
最低ですね！」

「落ち着け、サシャ！本当に緊急事態なんだって」


コニーがジャンとサシャと呼ばれた少女の間を
取り持つように声を掛けると、彼女は漸くずぶ濡れになった
ナナシを認識したようだった。