第16章 どうしようもない男
「ナナシ・・・そんな酷い事を言わないでくれ」
「どこが酷いというのだ?私に五十名の訓練メニューを
考えろという方が鬼だと思うのだが?」
「・・・・くっ!!」
自分で頼んだ事とはいえ、ナナシとイチャコラ出来ないと
思うとエルヴィンの中で葛藤が生まれた。
私事を捨て、人類の未来の為にナナシとのラブラブタイムを
削らねば・・・とは思うものの、ナナシの余命を考えると
少しでも一緒に居たいと思ってしまう。
唯でさえナナシが拠点として生活するのは古城なのだ。
兵団本部にいる間くらいはイチャイチャしたいっ!
イチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャ・・・・・・・
「したあああああああああああああああああいっ!!!」
感情を爆発させながらナナシに飛び掛かったエルヴィンだったが、
それを読んでいたのかナナシは素早くソファから離脱し
・・・そのついでにエルヴィンの脳天に踵落しを食らわせ沈めた。
一部始終を見ていたミケとナナバは二人のバイオレンスな
痴話喧嘩に大きく溜息を吐く。
ナナシのツンがデレる日は来ないかもしれないぞ、
エルヴィン・・・・。
心の中で気絶したエルヴィンにそう言いながら、
ミケは合掌した。