第15章 エレンの幼馴染
エレンの言葉を聞いたミカサとアルミンは、
信じられないと言った顔でナナシを凝視した。
ナナシは良い加減我慢ならなくて、自己紹介をする。
「急遽教官としてエレンを鍛えることになったナナシと言う。
こう見えてお主達よりも年上だ」
「え・・・っ!?もしかして、あなたが
あの『ナナシ』さんなんですかっ!?」
アルミンは『ナナシ』という名に聞き覚えがあったようで、
顔色を変えた。
今まで同世代に対してだった態度が一変、
ピッと背筋を伸ばし上官に対するものになる。
「し、失礼致しましたっ!まさか、あの『ナナシ』さんが
こんなにお若く見えるとは思わなかったものでっ!」
敬礼しそうな勢いで言葉を紡いだアルミンに、
ナナシは引っ掛かりを覚える。
『あのナナシ』とはどういう意味だろうか?
嫌な予感がする。
一方エレンとミカサは、アルミンの態度にキョトンとした顔をして
見つめていた。