• テキストサイズ

The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第8章 Device ー仕掛けー





レイが行ってしまってから数十分……。

今までずっと沈黙を貫いていた私達だったが、レイが戻ってきてくれたことによって沈黙は打ち破られた。



『……レイ‼良かった……っ‼』

「何かあったのか?」


私とザックが口々にそう言った。
その時の私は、レイの無事に安堵して胸をなでおろしたのだった。



「……うん。ただいま。
 あったのは墓石のデザイン画……それから、ここのフロアの殺人鬼のものと思われる、日記みたいなもの……。」


レイはそれだけ言ってから、俯いてしまった。


「……あ?それだけか?
 もっとよく探せよ‼何かあんだろっ‼」


その様子に苛立ったのか、ザックが叫んだ。


「その奥にもドアがあったのだけれど、開かなくて……
 もう奥には進めなかったの。
 ……だから、こっちでも何か手がかりが無いか調べて見てほしい。」

「……"何か"って何だよ。」


レイが落ち着きはらった声音で言うのとは対照的に、ザックは苛立った声音でそんな言葉をレイにぶつけた。
そんなヒヤヒヤするような2人の様子に、私は口を挟んだ。


『そのドアを開ける装置を見つけて欲しい……。
 ってことで良いんだよね?レイ。』

「……うん。そう。
 悠、ザック……、お願いできる?」

『うん。任せて‼』

「……おい、何勝手に決めてんだよ。」


私が1つ頷いて、しっかりとした声で答えると、
今度はザックが不服そうな声を上げた。


『……ザックはここから出たいんでしょう?
 だったら、少しは協力してよね。』

「……チッ。
 わぁーったよ。やりゃあいいんだろ、やりゃあ。」


呆れたように言うと、ザックは1つ舌打ちをしてそう言った。



/ 373ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp