The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第24章 Who is me…? -私は…-
- ストッ -
降り立ったのは…
ピッチリと前髪を七三分けにしている、黒髪の男。
……こちらも黄緑色の眼光…。
彼は他の死神2人と私達の間に立ち、
高切りバサミのようなもので、
ズレた黒縁メガネを上げる。
どこか神秘的で美しい黄緑色の瞳に
鋭い視線を向けられ、私は一瞬たじろいだ。
彼らがここにいるということは…、
魂の回収だろうか。
今回の件で、多くの人間が死にすぎた。
……だが、待てよ?
彼らは英国の死神だったはずだが……。
「…彼女は…、
いえ、この方は、"御上"ですよ。」
黒髪の死神……
もとい、ウィリアム=T=スピアーズが
2人を振り返って言う。
「…えぇぇえええっ!?!?
こんな小娘がぁっ!?
セバスちゃんを連れているのにぃ……っ!?」
「……へぇ。
あの娘が、"御上"?
可愛い顔して、意外だねぇ…。
…上層部のヒトがなんでこんな所に?
っていうか、今夜俺とデートしない??」
騒がしい死神一同を一瞥して、
溜息を吐く。
チリチリと記憶の奥底に沈んでいたモノ……。
焼け付いたモノが、こびり付いて
脳裏を焼き焦がす。