• テキストサイズ

The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第21章 Faith -信仰-






「でもね、ザック…悠__
私、最後に2人だけは、
私の手で"私のモノ"にしたい。」

『……レイ。』

「……やりたきゃ、やれよ。」


私の呟きに重ねるように言った
捨て身にも聞こえるその言葉に、
私ははっとザックを見上げる。


『…ザ…ック……。』


でも、その瞳の鋭さは少しも欠けていない。
むしろ光が増しているようにも見える。


「死にたいだ、
俺と悠を殺したいだ…
終わりにしたい…だぁ??

だいたい、お前はぐちゃぐちゃなんだよ!」

「そんなこと……知ってる!」


レイはザックの言葉を遮るように、声を荒らげた。
彼女が声を荒らげる所を初めて聞いた。

そんなレイを諭すかのように、
ザックは自分自身の嘘偽りのない真っ直ぐな言葉を…
レイに真正面からぶつけた。



「…じゃあ、
バカ言ってんじゃねぇよ。」

「……馬鹿なつもりはないよ!
本気なんだよ!
本気で、ザックと悠を………!!」

「…………そうか。」


-ギラリ…-

「…………。
っ!?」


鋭く金属がギラついたかと思うと、
ザックがレイを引き倒し、
その彼の大きな鎌を彼女に突きつけていた。


『…ザック!お願い、やめて…!!』


咄嗟に叫ぶも、彼はその手を退ける様子見せない。


「…俺が、
お前みたいなガキ相手に、殺されるわけねぇだろ。」

「……いやだ。
いやだ、ザック__」

「終わりにしたきゃあ、俺がやってやるよ!!」

「いやだ、いやだ、いやだ!!」


冷静なザックの声に、
レイの大きな拒絶の声が重なる。



/ 373ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp