The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第19章 Ray -レイ-
Side of レイ
-チッ…-
-チッ…-
-チッ…-
時計が、静かに時を刻んでいる。
…私は、そっと
散らかって荒れているリビングを見渡した。
部屋の至る所に、お酒の空き瓶がたくさん転がっている。
「……。」
隣のキッチンの方から、
何かが割れるような大きな音がした。
「____あぁ。
どうしてお前は、そうやって俺に……
歯向かうんだっ!!」
「だって……
アルコール中毒患者の言うことなんて
誰が聞くって言うの?」
「俺は、働いて帰ってきたんだ……。
帰りたくもない、この家に………。」
「うふふふ……。
…偉そうに、何を言うの?
あなたみたいな、アル中警察なんて…
誰にも必要とされてないのに……。」
「あぁ、うるさい……。
酒よりも、お前の言葉の方が毒だ……!」
-ドンッ!!-
「痛いわ…。
やめて、やめて……。」
言い争う声が聞こえる。
……お父さんとお母さんが、
喧嘩をしているみたい。
お父さんがお母さんに暴力を振るっているようで、
先程から大きく激しい音がしていた……。