第18章 Cooperation -協力-

「……じゃあここは、
レイの部屋ってことだな？」


『…っ………。』




…やっぱり、そうなる…よね……。
何故、こんなところにレイの部屋が……。



「…つーか、なんでここに
あいつの部屋があんだよ……。」




ザックも同じことを思ったらしく、
そんな疑問をぽつり…と、小さく呟いた。




「…まぁ、いい…。
それより、今度は、
何があんだか……。

この家のことを思うと、
どー考えてもあいつの部屋とか、
ロクでもねぇだろうしな……。

…まぁ、考えてもしゃあねぇか。

知らなきゃなんねーみてぇだし、
……俺も、少しは気になる。

……行こうぜ、悠……。」



……ザックは、もう決心をしたようだ。
私は、そんなに強くはなれない。

……どうしたら、
そんなに強く、真っ直ぐに前を見据えられるの……？



「……悠。
…怖いのか？」



心配そうに訊ねてきたザックの顔を見上げる。
…ザックの黒と金色の左右の瞳が、
困惑したように小さく揺れた。



……ああ。
ごめんね、ザック。

……心配、させちゃダメだよね…。

ザックに、そんな顔をさせちゃ…
ダメだよね……。



『……ううん。もう大丈夫…。』




私達は、ドアを押して、
その部屋の中へと足を踏み入れたのだった……。