The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第18章 Cooperation -協力-
「……ネームプレート……。
使うとしたら、ここしかねぇだろ。」
『……うん。』
私がかけようとすると、
ザックが小さく呟いた。
「……結局、それも名前がわかんねぇな……。
でも、開きゃあいいんだから、
気にする必要はねぇか。」
-カチャ……-
ネームプレートをかけると、
小さく音がする。
「……ここも押せば入れる。」
『うん、行こう。』
「……。」
『……ザック?』
「…悠。
やっぱ、見覚えあんだよ。
このネームプレートの文字……。
お前、なんて書いてあんのかわかってんだろ?
…これを読んだ後から、
お前の態度がおかしいの…気づいてんだよ。
……くそ。
何が書いてあんだ……。」
頭をガシガシと搔いて、悩む彼の名を、
私はそっと呼んだ。
『……ザック。』
「……あ?」
『……これ……。』
私が差し出したのは、
レイの鞄から滑り落ちたのを
ザックが拾った…あの、"履歴書"……。