The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第18章 Cooperation -協力-
『10点満点だから…………っ!!』
ガバッとザックを振り返りつつもそう返すと、
ザックは満足そうにニカッと笑った。
「……おー。
んじゃあ、満点だな。」
『……そうそう。
……って、こんなことをしてる場合じゃなかった……。』
「……そうだな。」
そんな緊張感のない会話をしてから、
私はハッと我に返った。
……どうしてザックといると、
こうも緊張感がないのか……。
私は思わず苦笑した。
「……あ?
どうした?」
『んーん。なんでもない。』
「……そーかよ。
…ま、意味もなく笑うな。
殺したくなるの我慢してんだぞ、こっちは。」
『はいはい。
……じゃあ、とりあえず開けてみようか。』
「………おう。」
ザックが小さな箱を
小さな鍵で開けて、そっと開く。
『……あ、開いた。』
……すると、その箱からは
優しくも、何処か悲しげな音色が
零れ落ちていく。
「…この箱。
開けたら音が鳴んのか……。」
『……オルゴール、みたいだね。』
私がその切ないオルゴールの音色に耳を傾けていると、
ザックはその室内の辺りをぐるぐる見回した。
「……ザック?」