The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第3章 Floor B6 ー地下6階ー
『…うっわ……。』
ドアを開けると、そこに広がっていたのは…。
ここも殺人現場なんですか…っていう感じのキッチンがドーン……。
…どーすんの?これ…。
13歳のいたいけな少女の純粋な瞳に晒していいもんじゃないよ…。
そんな私の心情に気づいているのかいないのか…気にしたふうでもなく、レイチェルは壁に貼られた新聞記事のような貼り紙を読んでいる。
辺りを見回してみるも、めぼしいものはない。
蛇口から水が出るはずもなく、ひねっても何も出なかった…。
…その小さな背中の背後へと歩み寄り、私もレイチェルに習ってその新聞記事を読んでみる…。
『…連続殺人鬼…ねぇ……。
このお兄さんも、不運なこと…。』
ジョン=スミシーという26歳の男性の記事だった。
不運とも言えるその人の死に方は、少し哀れに思えた。
溜息混じりに息を吐いてそう零してから、ふと…隣の血だらけ現場と"KEEP OUT"ー立ち入り禁止ー の如何にも危険そうな文字、それと危険の象徴みたいな黄色と黒のしましま模様を眺める……。
…うん。
お世辞にも、良い眺めとは言い難いな。
さっさとこの部屋を出て、次に行こう、次……。
『…レイチェル、読み終わった?
次の部屋に行こう…?』
「……うん。」
私は次の部屋へのドアを開けてみた……。