The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第16章 Floor B1 ー地下1階ー
先程、私達が出てきた……
開け放たれていたはずのドアが……、
閉まっている。
私は慌てて駆け寄り、ドアを開けようと奮闘するも、
ドアはびくともしない。
……中には、まだレイが残っている……。
……嫌な予感は、
レイの方だったんだ……っ‼
ーガチャガチャ‼ー
『…レイ、レイ……っ‼
返事をして……っ‼』
びくともしないそのドアの、
ドアノブを握って揺すりながら、私は叫ぶ。
……すると、少しの間を置いて、
返答があった。
当然……その声は、レイのものではない。
……だが、
その声には聞き覚えがあった……。