第3章 Floor B6　ｰ地下6階ｰ

レイチェルのそんな呟きに1つ頷いて、私は言う。


『んー……。そうだね。
　じゃあ、さっきのもう一方の道へ行ってみようか……。』

「……うん。そうだね。」


一本道を、先程の別れ道まで戻って今度は反対側へと歩みを進める…。


『……ん？
　……カーテン…？』


少し歩いたところで、土にまみれ、汚れたカーテンがかかっているのを見つけた。
その不自然に設置されたカーテンが、何故か不思議と、どうしても気になって、そのカーテンを開けてみた……。

……するとそこには、工事の為に使われるような三角コーンや仕切り、それと何故か大きなスコップが置いてあった。

そこの場所だけは、何故か土の地面が剥き出しで、私はふと疑問に思った……。


『……待てよ。
　確かここって、B6のはず…だよね……？
　……どうして、土なんか…。』



……まぁ、こんな状況だし…。
考えるだけ無駄か……。


疑問を打ち消すように頭を振ったその時、レイチェルが私の背後から声をかけてきた。


「……悠…？どうしたの？
　何をしているの？…早く、行こう……？」

『…はーい。
　今、戻るよ……。』


私は、すぐにレイチェルの元へと戻った。

……しかし私は、その素朴な疑問を払拭することは出来ないままでいた……。