The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第16章 Floor B1 ー地下1階ー
「お願い、ザック‼
早く、私を殺して。
何も知らないままで……‼」
レイは尚もザックに詰め寄って、
懇願するように、悲鳴じみた声をあげた。
「お願い。
今の私を……
____殺して……。
お願い__
私の、神様なら……っ‼」
「何言ってんだ‼
ここでお前を殺して、どーすんだよ‼
まだ、外にも出てねぇ。
__それに、俺が殺したいのは……、
その顔のお前じゃない。」
「……っ‼」
ザックは、レイがそう言い終えると、
突き放すように……冷たくも聞こえるような声で
はっきりとそう言った。
レイは、会話を終えると同時に、
気を失って倒れてしまいそうになる。
私は、そんなレイを
必死になって、地面に倒れ込むすんでのところで、
抱きとめることに成功した。