The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第12章 Master and servant ー主従ー
「……はっ‼
だとよぉ‼」
『……うぅ。
レイもザックの味方なのかぁ……。
それこそ分が悪い……。』
「……では、
そろそろ参りましょうか。」
レイの賛同に、何故か何処か得意げなザック。
私は、観念してそう返した。
隣では、セバスチャンが可笑しそうに笑っている。
……今でこそ、
ああやって苦笑しているセバスチャンだが、
普段紅茶色をしている、美しい彼の瞳が
先程まで…、
紅く、紅く……____
ただ純真に紅く……。
地獄に燃え盛る
尽きることのない、
潰えることのない…
消えることのない……
紅蓮の炎のように
彼の瞳が紅く…燃えていた。
そう、
彼は、
"悪魔"で、
私の執事なのだから……。