The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第12章 Master and servant ー主従ー
「うるせぇ。
んなことは、俺が決めんだよ。
俺が、俺の目で見て決めんだよ。
お前に決められることじゃねぇ……。」
「……今度は、
何をすればいいの?」
アイザック=フォスターと断罪人の女性、キャシーとの会話に
ピリオドを打ったのは、
レイ様のそんな一言。
……キャシーは、少しつまらなさそうに言った。
「……そうね、レイチェル=ガードナー……。
注射器は、なんのためにあると思う?」
「……刺して、薬を身体に入れるため……?」
レイ様の答えに対して、何が面白いのか……
キャシーは楽しそうに
ーパチパチパチー
と、手を打つと、
大音量で
ーピンポン‼ピンポーン‼ー
と、五月蝿く効果音が鳴り響いた。
……レイ様とアイザック=フォスターの2人は、
相手の姿はわかるものの、鉄格子で区切られた場所に
それぞれ1人で立っている。
お互いの部屋には、台の上に注射器がポツン……
と、置かれてある。
片方は、明るい橙色。
もう片方は、同様に明るい黄緑色をしている。