The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第12章 Master and servant ー主従ー
Side of セバスチャン
お嬢様の命令によって、私は天井から覗き込むようにして
レイ様とアイザック=フォスターを眺めていた。
……さて、
いつ…お2人の前に姿をお見せしましょうかね……。
様子を伺いながら考えあぐねていると、
自らを"断罪人"と名乗った女性が、
楽しそうに笑いながら、お2人の前に姿を現した。
「あっははははは‼
はぁい!生身では初めまして!
私がこのフロアの断罪人……キャシーよ‼」
化粧で身を着飾った女性が、
2階席のステージような場所から大きな声で言う。
……確かに、
お嬢様に比べれば、こんな魂……__
ゴミ同然ですね…。
その2階席のような場所へと上がるための階段などはなく、
そこは、さも当然かのごとく、防弾ガラスで覆われていた……。
……これでは、
まだ手出しがしにくいですね……。
私は、溜息を1つ零して
そのまま様子を伺った……。