The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第12章 Master and servant ー主従ー
それから、お嬢様に命じられ、
レイ様とアイザック=フォスターの様子を確認した。
「……ほう。
電気椅子にガス室とは中々……。
本当に、人間は面白いことを考える……。」
私は1人呟いて、
2人の様子を伺う。
2人は、カメラの死角で身体を休めているようだ。
レイ様は青白い顔をしていらっしゃる。
死にかけのような……。
ですが、たぶん、今はもう平気だろう……。
それよりも、アイザック=フォスターだ。
……彼は、先ほどから様子がおかしい。
イライラしっぱなしで、挙動が気になる。
……毒の所為でしょうか……?
……いえ、
毒の所為でもあるのでしょうが…。
それよりも、前……。
彼の過去に関係すること……__
「……ふふ。
少し気になりますね……。」
私は小さく笑みを零した。
「…………とりあえず、
お2人は無事のようですね。
お嬢様に、報告しに戻りましょう……。」
私は再びふっと笑って、
身をひるがえしたのだった……。