The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第11章 Floor B3 ー地下3階ー
淡々とした口調で訊ねるレイに、
ザックは少しだけ首を傾げた。
それから、レイの問いかけに対して、単調に答えた。
「さぁな。
……でも、殺されてもいい、下らない人間なんて
いっぱいいるだろ……。」
『っ…………。』
ザックのそんな言葉に、
私はぐっと拳を作ってそれを握りしめた……。
……否定を、したかった……。
"殺されてもいい、下らない人間"なんて、この世にはいない。
……でも、
否定できなかった……。
だって、
私の人生を狂わせたあの人は……人間だ。
私はあの人を、殺したいほど憎んでいる。
私から、何もかもを奪って、笑っているあの人を……____
私は、ぐっと唇を噛んだ。
……もう少し。
ここから出ることが出来たら…。
私の"復讐"は、終幕を迎えることが、できるのだろうか…………?