The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第11章 Floor B3 ー地下3階ー
《 はぁい‼
お迎えが遅くなってしまって、ごめんなさいね?
あなた達があんまりにもノロマなものだから、
お昼寝してしまっていたの。
……でも……。
今、よく死ななかったわね。
しかも、1人も……‼
____合格よ‼ 》
……一体何が合格なのだろうか。
女性が上機嫌な声音で、1人で勝手にそう言うと、
ーキャーキャー‼ー
ーワーワー‼ー
ーパチパチパチッ‼ー
……と、
誰も居ないはずのその場に、私達を取り囲むかのような…
盛大な拍手の音と歓声が鳴り響く。
『……一体、何処から……?』
眩しさに顔を顰めつつ呟くも、
当然の事ながら、姿を見せないその女性に
私の小さな呟きが届いているはずもない。
……女性は尚も上機嫌な口調で話し続けた。
《 特にザックと、そこの貴方。
執事さん…、セバスチャンと言ったかしら?
あなた達……なんて素晴らしいカンをしているのかしら……‼
実は私、
ザックはきっと、素晴らしい罪人になると思っていたの。
寝ぼけていた目が、期待感ですっかり覚めちゃったわ‼ 》
その、貶されているとしか聞こえない発言に、
私は少し不安になって、ザックをチラリと見やる。
……やはり、ザックは不快そうに顔を顰めていた。
……熱い。
ジリジリ……と、スポットライトは、
私達を焼きつけるかのように熱を持って私達を照らし続ける。
その光は、
私を不快にしかさせなかった……。