第11章 Floor B3　ｰ地下3階ｰ

「……。」

「……。」


『……。
　…ぶっ……。くくっ……。』


レイのそんな返答に、悠が、隣で堪えきれていない笑いを洩らした。
……俺は怒る気にもなれずに、呆れてレイにこう言った。



「……あのな。
　俺が馬鹿なのには違いねぇが、それくらいわかる。」

「……そう？」


レイは俺のそんな言葉に対してそう言い、
小さく首をかしげてみせる。
……レイのそんな返答と様子に、悪意は感じない。
きっとこいつは、冗談とかそういうの言える奴じゃない。

俺は思わず、口元を引き攣らせた……。

悠は、
そんな俺とレイの様子に盛大に笑い出す。


『……っ〜‼　あはは‼
　もー、ダメっ‼我慢出来ない……っ‼

　レイってば、最っ高っ‼‼』

「……はなっから堪えきれてねぇよっ‼‼」


1人で腹を抱えて大笑いしだす悠に、俺はそう叫んだ。
だが、当の悠はどこ吹く風だ。

尚も1人で大笑いしている。


「……………………。

　……つーか、レイ。
　お前、鍵開けるの得意じゃねーか。
　頑張れよ。」


何も言う気が失くなった俺は、
悠に軽いチョップを食らわせてから、
レイに向き直ってそう言った。


「うん、頑張る……。」


俺はそんなレイをその場に残して、
再び悠を振り返った。