The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第10章 Butler ー執事ー
「エレベーターの準備が整いましたよ。」
セバスチャンが戻ってきて、私達にそう声をかけた。
『……ああ。
ご苦労様、セバスチャン。』
「……いえ、当然のことですので…お構いなく。
さぁ、お嬢様…こちらへ……。」
私はセバスチャンに差し出された手に、自身の手を重ねて
エスコートされるような形で歩いた。
階段を上って、大きな電子機械のようなもにの前を通って、
エレベーターの前にへと来た。
『…………行こうか。』
少しの間……、
エレベーターのその重そうな鉄のドアを見つめていた私だったが、
そっと小さく呟いて、エレベーターに乗り込んだ……。