第6章 これは恋のゲームだよな?
しかしこんだけ過密スケジュールでよくいろんな国に行けたなと西田に感心する。うんうんと僕が頷いているとiPhoneの通知が鳴った。
「ちょっとトイレに行ってきます。」
と断りを入れてトイレの中で開いて確認するとなるちゃんから通知が届いていた。
西田の結婚式のことで相当なお怒りらしい。
それは僕が避けたからだ。でも仕方なかったのだ。妻が一緒にいるから怪しまれたくなかったのだ。しかし、なるちゃんのご機嫌を取ることになってしまった僕は言い訳を必死に考えた。
今更、既婚者だなんて言えないしどうしたら?
思いつかずにこれ以上の返信を引きずるわけには行かないとすぐに返事を送った。
"あの時はごめん。今度、パフェでも奢るからさ"
するとなるちゃんから返信が来てそれだけでは誤魔化されないと。
やっぱり、ちゃんと説明しないとダメか。
僕は決心してまた返信した。
"久しぶりの格式ある披露宴だったから緊張しちゃって上手く対応できなかったんだ。あの時はごめんね"
するとなるちゃんから返信が来て今度の日曜日にリッツカールトンのアフターヌーンティーに行きたいと言われた。
しまった!今度の日曜日ー。僕は思い出した。莉子のお母さんよりたまにはうちで夕飯でもどう?と言われていたのだった。
アフターヌーンティーって食べたことないけどインスタで写真なら見たことある。並べられたデザートやサンドウィッチは美味しそうだったが、あれを食した後に莉子の実家で夕飯を食べるなんて果たして胃が持つのだろうか?
そう思うと僕の心が震え出した。