第4章 謎の微笑みを向ける美女は!?
翌日も僕は仕事に向かった。いつもと同じ朝である。朝は朝礼をして掃除に励む。午前中はお客様窓口で対応していた。
「いらっしゃいませ」
あっ、またあの和服美人の方来てるな。最近よく来るけどそんなに届けるものでもあるのかなあ?それとも海外文通とか?
「ありがとうございました」
午前中の業務をこなしていきお昼の時間となった。ご飯を食べる前にふと莉子のインスタグラムを見てみた。
「おお!頑張ってるね」
『夫と2人暮らしで仲良くやってます~!主にお料理を載せます。主婦のフォトジェニックをどうぞ!』
そこにはまだ始めたばかりらしく料理の写真が2枚掲載されていた。
「へえ~清水の奥さんインスタ始めたんだ?」
そこに西田が話しかけてきた。
「そうなんだよ。まあこれで料理の腕も上がっちゃったりして」
「だといいけどな」
「あははっ!」
なんて会話を交わしながら今日も莉子の愛妻弁当を食べる。
「あっ、サンドウィッチだ!」
今日のお弁当は珍しくサンドウィッチだった。
「そう言えばサンドウィッチとサンドイッチどっちの言い方が正しいんだっけ?」
西田が僕の隣でお弁当を食べながら聞いてきた。
「さあね。でも一つの意見としては英語の発音とカタカナにした時の違いがあるんじゃないかなあ。あとはお笑い芸人のサンドウィッチマンさんはウィッチの方だしな」
「確かに言われてみればそうか」
そして午後はバイクで配達へ出かけた。この日の業務は平和に終わった。
「もうすぐ梅雨も明けるんだあ」
6月も終わりに近づいてきた。この先は暑い夏が待っている。くそ暑い時にヘルメットを被り配達である。でもお中元の季節でもある。お中元は7月初旬から半ば頃らしい。
7月15日を過ぎて7月16日から8月15日までに送るのが暑中見舞いである。どちらもお世話になった人への贈り物には変わりないが送る期間が違うのだということを郵便局で働き始めた頃に局長から聞いたのを思い出した。
「もうそんな季節かあ」
さて、家に帰ったら莉子のおいしいご飯が待っているがこの日は仕事の帰りにケーキを買って帰った。特に何でもない日だが日ごろお世話になってるし美味しいご飯を作ってくれてるからたまにはいいかとね。喜んでくれるといいな。