第9章 計画1:ラブホテルであなたと❤︎
この日もいつものファミレスでアルバイトだ。でもなぜか冷や汗が出る。周りの目を気にしてしまう。あたしの噂をしているのではないか?悪口を言われているのではないかとビクビクしてしまう。
制服に着替えて朝の会が終わるとテーブルを拭くために雑巾を取りに行く。いつもはなんてことない光景だけど、あの女に不倫を暴露されてしまい、ってこっちは既婚者だって知らなかったっつーの!!!
ああ、もうむしゃくしゃする。
「あの、もう少し丁寧に台拭きしてくれませんか?」
「あっ、すみません。気をつけます」
店長に注意されて平謝りする。
謝っておけば許してもらえるだろう。まだ一度きりの失敗だし。そう軽く考えることにした。
挨拶の発声練習が終わる頃にはお店が開店。
「いらっしゃいませっっっ!!!!?」
笑顔で出迎えた先には、あの女と友達らしき人が3人で訪れていた。
何を話されるのか溜まったもんじゃない!!!私の眉が少しぴくりと動いたのを感じたのか女はにこやかに言った。
「3人です」
「えっと、お席まで案内します」
震える足でなんとか席に案内して一言言って過ぎ去っていく。
「お水をお持ちしますのでお待ちください」
女達の会話も気になるけれど接客が当たりたくない。それにしてもあたしがここで働いているのがどうしてバレたのだろう?
そういえば、みんなで集まったときに言われたんだっけ?
ああ、どうしよう。
「ねぇ、あそこの席に水を運んであげてください」
「えっ、はい・・・・」
上司にせっつかれてあの女の席に水の入ったグラスを運ぶ羽目になった。
「チッ!」
軽く舌打ちをしてグラスに水を注ぐとお盆に乗せて運んだ。
「お待たせしました。お水です。メニューが決まりましたらお声がけください」
私がそう言ってその場を去ろうとすると友達らしき人が嬉しそうに言った。
「いい接客ね」
「そうでしょう?この子って凄いんだから!」
するとあの女が笑みを浮かべて言った。
何を発言するの???トンデモ発言だったりして?