第7章 妻の考察と情報収集
そうだ!ドライブレコーダーを取り付ければいいんじゃない?でもバレる確率ありそうね。うーん?ラブホテルとか行ってる所でも写真が撮れたらいいんだけど。
私は慎重に作戦を立てている。悠真君に見つからないように進めなければならない。
そして作戦を立てつつバレないように平常心を保ちながら私はいい妻を演じることにした。もう、自然の笑顔なんて出ない。全て作り笑顔だ。笑顔の仮面を外せば憎しみと憎悪が入り混じった顔になる。それすら曝け出しそうになるが、グッと我慢して笑顔を保っていた。
1人また1人と悠真君の不倫は増えて行く?あと何人いるのよ?
今は探偵や弁護士を雇うお金なんてないわ。とりあえず自力で証拠を集めないと。
そして私はある行動に出た。悠真君がお風呂に入っている時に不倫女とのLINEをスクリーンショットを試みた。
不倫女とのLINEに書き込んでやりたいけれど、それはじっくり待ちましょう。そう心に誓って。
そんなある日、悠真君が今日は遅くなるからと朝食の時に言ってきた。私も出かける用事があるからと悠真君に告げた。中学の頃の友達とランチに行くのよと、明らかな嘘だけどね。悠真君はそれをすっかり信じ切っちゃって、さっさと支度して出掛けて行った。
私はバレないように変装して悠真君の後を追うべく車をゆっくり走らせた。
花屋の角を曲がり、クリーニング店を通り過ぎて・・・どこにいくのかしら?ここは郵便局の方面ではないわ。やっぱり仕事ではなかったのね。
それから悠真君はファミリーレストランの中に入って行った。私も慌てて中に入る。私は悠真君が去って行った後、店員に事情を説明してなるべく近くの席にしてもらった。
悠真君の後ろの席が私。とりあえず、紅茶とケーキを頼んでその場を凌ぐことにした。
すると私の後ろの方で女の声がした。
私が振り返って女を見ると着物姿の綺麗な女性が立っていた。悠真君と会話を交わして席に着いた。
普通既婚者が他の女性と2人っきりで食事なんてあるのだろうか?いやあり得ない。私は目を疑ったけど、どんなに目を擦っても変わらなかった。
悠真君はその女性に対して"葵ちゃん"と声をかけていた。LINEに載っていたあの女・・・・。私はそう思うと吐き気で、そのまま立ち上がってトイレに向かった。
トイレから出て戻ってくると2人の会話は弾んでいた。
