第2章 08~11
とりあえず万事屋初任務の朝食作りを完遂させた乃芽は、食後でまったりとしている空気の中早々にげっそりしていた。
やる気も自信も満タンだったのに薄れていくのを感じる。冷蔵庫は開ければいちご牛乳だらけ。わずかな食材に砂糖と塩しかなかった。
それはいい。それはまだいいが、神楽を完璧に甘く見ていた。
その常人ならざる身体能力のせいか、夜兎族がよく食べるとは知っている。でもまだあんな少女なのだ。あり得ないほどは食べないだろうと思っていた。が。
あり得ないほど食べた。
「こんなのまだまだ序の口ヨ。これの3倍はいけるアル」
是非いかないで頂きたい。
しかしだからといってあまり食べさせないのも悪い。
どのくらい食べさせればいいのかこっそり銀時に聞いてみると。
「あいつは酢こんぶが常食だからなァ…俺より少し多いくらいの分やりゃ十分だ」
と言われた。
まあいいや。これから慣れていく事でしょう。
万事屋にいて数時間が経つが、早くも乃芽の思考と身体は順応を見せていた。
疑問に思っても諦める。
巻き込まれたら諦める。
とばっちりを受けたら諦める。
……あれ…何かここにいたらダメになっていく気がする…けど、それも考えないように。