第2章 六つ子なマフィアと秘密の力
五色のシャツ達は部屋のソファーに座る。
「単刀直入に言う、タヌキちゃん、俺達の仲間にならない?」
私に近いソファーに座る赤シャツにじっと見つめられる。
『私を飼うつもり?それともペット?』
「そんなつもりはねぇよ、タヌキちゃんは生活の為に殺し屋やってたんだろ?」
『そうね…それしかなかったもの』
「なら、その生活を俺達が保障するから、ピーノファミリー専属になって手伝ってほしい、悪い話じゃないと思うけどね」
『私を信用するの?裏切るかもよ?』
「マフィアの掟に裏切り者には死をってね、その時は地のはてまで追い詰めて殺すよ」
そう言ってじっと私を見つめる、う…凄い威圧感…背筋がゾクリとした、得体の知れない恐怖に思わず尻尾に抱き付いてしまう。
「せっかく拾われた命なんだぜ?どうする?」
これは…断ったら殺されるパターンだわ…死にたくない!
怖い人間に捕まったもんだ…でも…手伝うだけで生活の保障してくれるなら答えはyesしかないよね。
『絶対に生活保障してくれる?』
「するよ、ひもじい思いはさせない」
『分かった、私はタキ、仲間になるよ、裏切りもしない…よろしくお願いします』
赤シャツの雰囲気が柔らかくなった。
「よし、決まりだな!俺はピーノファミリーのボス、長男おそ松だ、よろしくな!タキ」
赤シャツ…おそ松がボスだったのか…。
「見ての通り俺達ピーノファミリーは六つ子の兄弟だけでやってる少数精鋭だ」
『影武者とかじゃなかったのね…』
「オレは次男カラ松だ、よろしくな、タキ、それと手荒な真似をしてすまなかった」
『いいわよ、別に気にしてないから』
「僕は三男チョロ松、よろしく、タキちゃん」
『言っときますけど、病気なんて持ってませんからね』
「おれは四男一松、よろしく…大丈夫、タキは健康だよ」
「ぼくは五男十四松、アハハーっ!よろしくね!タキちゃん!」
「ボクは六男トド松、タキちゃんよろしくね♪」
やっぱり色で覚えるしかないか…微妙に特徴あるけど…みんな同じ顔なんだもの。
「それなりに覚える事もあるから、タキの教育兼世話係は…う~ん、誰にするかな…」
「それならオレがやろう、しっかり面倒みるぞ」
「そう?じゃあカラ松頼むわ」