第1章 殺し屋タヌキ
「そうか…」
『もういいでしょ?タヌキ汁でもなんでも好きにしていいから…さっさと殺しなさいよ…』
ボフンッ、元の姿に戻る。
はぁ……なんかもう…色々疲れきっちゃったよ、怪我した足が痛いなぁ…ジンジンする。
青シャツの膝で腹這いのままクタリとなる、なんか眠くなってきた…寝てる間に殺してくれるなら…苦しいことない…かな…。
※※※※※※※
ん…誰かが撫でてる…気持ちいいな…てか、私…生きてる…。
『キュ…?』
うっすら目を開けると青シャツが私を撫でてる、へっ!?どういう情況なわけ?私…殺されてないし。
「やっと起きたか、具合はどうだ?」
ビックリして飛び起きた、痛っっ!見ると足に包帯が巻いてある…。
ここ…どこ?キョロキョロと見回す、なんだか品の良い家具にテーブル、青シャツと私が座るソファー、応接室かな…?ガチャリとドアを開けて誰か入ってきた。
「お、目が覚めた?」
「まったく、後で風呂に入れろよ」
「うわぁ♪僕タヌキなんて初めて見た~以外と可愛い♪」
「アハハ~!よかった!」
「大丈夫そうだけど…ちょっと診せて」
同じ顔が二人増えた…、六つ子?ピンクのシャツ、紫のシャツ。
色で見分けつけなきゃよくわからないや。
紫シャツが私を触診する。
「ん…足の怪我以外は大丈夫だよ…」
「そうか、ありがとうbrother」
とりあえず、話をしないと情況わかんないや…。
ボフンッ!!耳と尻尾付き人間に化ける。
『怪我…治療してくれてありがとう…でも…なんで私を殺してないの?』
「ちょっ、ちょっといい?////その…裸のままだよ!?」
『ん?何か問題でも?』
「問題ありだよ、服着てよ!?」
『置いて来ちゃッたし…ない、なら、これならいける?』
ボフンッ!、小さくなった方が化け力をあまり使わなくていいけど…これだと動きにくい…だって手足短いから。
「何?なにこれ!?可愛いいーっ!!」
ピンクシャツがなんか叫んでる。
『これなら問題ないでしょ?あんまりこの姿になった事はないのだけどね』
「ほぉ…この姿のgirlも可愛いいな」
青シャツはそう言うと私を自分の膝に乗せ頭を撫でてくる、まぁ…悪い気はしないからしたいようにさせてあげる。
『さっき拷問するとか言ってた人の言葉?それで?私を殺さずにあなた達はどうしたいの?』