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【おそ松さん】とあるタヌキの事情

第1章 殺し屋タヌキ


『ピーノファミリーか…ま、頼まれたら殺るしかないよね』

私はタキ、殺し屋やってる。
PM 9:56、只今依頼されたターゲット、ピーノファミリーのボスを狙うべく倉庫の屋根でスナイパーライフルを構えて待機中。
依頼主はとあるマフィア、相手が取引で来たところを狙えだって。
まぁ、場所は港に近い埠頭の倉庫街だから、見張らしはいい。
お金になるなら人を殺すなんて平気、むしろ私を故郷の山から追い出した人間なんて駆逐してやるわ!
人間社会って本当複雑…戸籍とか身分証とかないとまともな仕事にもつけないなんてさ。

『来た…』

スナイパーライフルを構えて照準を合わせる、車のドアが開いて…ハッ!!背後に気配…ドガンッ!!咄嗟に避ける。
ヤッバッ!!間一髪…ドゴォッ!!うわっ!もう何?受け身を取り、攻撃してきた相手を見る、えっ?ターゲット?

「アハハーッ!君すばしっこいね!」

黄色のシャツに黒いスーツ、得物はバット!写真で見たターゲットがなんでここに…。
これは任務失敗だわ…逃げるに限る!!
屋根から飛び降り身体をひねり一度壁を蹴り着地の衝撃を吸収させる。
立ち上がって駆け出そうとした私の目の前に今度は青いシャツに黒いスーツを来た男が立ち塞がった。
同じ顔…?双子かな?

「フッ…逃がさないぜ」

わぁ~、日本刀もってるぅ…物騒だなぁ…。
こっちはライフル捨ててきて丸腰だってのに、ミリタリールックに目だし帽だから顔を見られる事はないし女だともバレてない。
ドォンッ!!背後に何か落ちてきた、振り向くと屋根で攻撃してきた黄色のシャツ、地面がめり込んでる。
人間か?こいつ…。
こうなれば…あの手を使って逃げるしかないか…物陰はないかな…、周囲を見回すと青いシャツの向こうに細い路地が見える、あそこまで行ければ…。
一か八かだけどここで死ぬわけにはいかない。
青シャツに突撃、やっぱりね刀振ってきた、紙一重で避ける。
壁を3歩駆け上がり反動で青シャツの肩にブーツ後を付けて着地して走る。
ヒュンッ…痛っっ!?なんか飛んできた!足をかすったか…。
でも、もう路地だ…ボフンッ、よし、元に戻った。
服を置いていくのは嫌だけど…そんな事言ってられない。
身体が縮んで小さくなったので服の間からぬけだす。
足…痛い、でもここから離れなきゃ…。
あそこにある木箱の隅にでも身を隠そう。
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