第5章 ドS彼氏の初デート
「そーだよー。しゅーやがそんなに長く付き合ってたコなんて今まで1人もいなかったんだからー」
「そうですわ…。朝霧様は皆平等に、2ヶ月間のみ…まぁそれより、短い方もいらっしゃったそうですけど…。
…それ以上なんて、ありえませんわ…」
この人達は……愁夜くんの過去を知ってる…。
そのことが、彼女らの会話でわかったこと。
でも…
「おいお前…。なんとか言えよ…」
「…っ!…あ、えっと……」
愁夜くんがどんな過去を持っているのかまでは…わからない。
この人達に聞けば、わかるかもしれないけど…。
教えてくれるかもわからないし…それに怖い。
私は…どうすれば……
「……やばっ!しゅーや、もうすぐ戻って来るっぽいよ!」
「ええ。早く戻らなければなりませんね」
「…チッ……。おい、お前」
どうやら愁夜くんに見つかるとやばいらしい彼女らがこの場を去るときだった。
「よーく覚えといたほうがいいよー…?」
「もう、あの方はキッパリと諦めたほうが良いと思いますわ…」
「お前は、もうすぐ愁夜と別れるんだからなぁ…?……ハハッ…」
「……っ!」
彼女らは、私にそう言ったのだった。