第2章 ドS彼氏、本性現れる
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そんな感じで私達は付き合うことになった。
でも、それからカレカノらしいことは何もせず、時が経った。
そして今日やっと、彼からのお誘いが。
「二人で屋上でさ、食べねぇ? 」
「…うん!」
二人でご飯とか……、嬉しすぎる…………!
その後私達はお昼ご飯を持って屋上へと向かった。
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……ガチャ
屋上のドアを開け中へと入る。
そんな屋上は他に誰もいないようで、かすかな風の音しか聞こえないほど静かだ。
…ふ、二人きり…………。
私達はドアから少し離れたところのフェンスにもたれかかるように二人並んで座った。
すぐ隣に彼がいることに緊張する。
「じゃ、じゃあ、食べよっか!」
「…ああ」
私は緊張が伝わらないよう、冷静を装った。
お弁当のふたを開けると美味しそうなおかずがズラリと並べられている。
「おっ、手作りじゃん!
美琴が作ったのか?」
愁夜くんが私のお弁当の中を覗いてそう言った。
ち、近いよぉ…!
「うん、そうだよ。私ん家、両親が二人とも仕事だから、1年生の頃から私が毎朝作ってるんだ」
私は少し早くなる胸の鼓動が聞こえないように、笑顔で答えながらおかずを口へ運ぶ。
「…へぇ。凄いじゃん。
この卵焼きとか、めちゃくちゃうまそうだし?」
彼はちらっと私の目を見てくる。
もしかして……
「愁夜くん。この卵焼き、良かったら食べる?」