第4章 ドS彼氏、教える
「え………?」
「お前,俺が怖いんだろ?だったら無理して付き合う必要はねぇよ。
……お前が望むようにすればいい」
彼は目を少し伏せて、そう言った。
別れる……?愁夜くんと……?
確かに、愁夜くんは怖い。
初めてあったあの日とは全然違う。
あの日の愁夜くんは……本当の愁夜くんじゃない。
そう思ってしまうと、なんだか悲しくなってきた。
だって、私が好きになったのは、あの優しい愁夜くんだから。
……でも、私は……
「否定しない、か……。
じゃあ、約3ヶ月ありがとうございました~。
まぁ…楽しかったぜ?
……次は、もっといい男見つけろよ」
彼の背中が遠くなっていく。
ここからじゃ手を伸ばしても届かない。
「……じゃあな、日笠」
なんで?
なんでいつもみたいに美琴って呼んでくれないの…?
振り向いて「冗談」って笑ってよ……
やだ…
待って、行かないでよ……
離れたくない……
遠くに行かないで………
…どうしよう。
このままじゃ、本当に彼は私から離れていってしまう……。
……せっかく、この気持ちに気付いたのに。
彼は、怖くなんかない。
私は彼が好きだから。
だから……