第4章 ドS彼氏、教える
しょうがない、取り組むとするか……。
私はぎゅっと、シャーペンを握り直す。
─その時、ガタッと私の前で椅子か何かの音がした。
この教室にいるのは、私と彼だけ。
…ということは……?
私はゆっくりと顔をあげる。
すると、私と机を挟んで、向かいあうように座る彼の姿が見えた。
彼は黒縁のメガネをかけている。
どうやら、勉強の時はメガネをかけるらしい。
……いや、そうじゃなくてっ!
何で愁夜くんが!?
いや、何でってそりゃあ先生に頼まれてここにいるんだし、当たり前なんだけど!
けど……!!
教えてくれるなんて……なんか、緊張する。
いつもと雰囲気違うし……メガネだからかなぁ……。
「…………っ!」
ばちっと目が合う。
私はとっさに視線をプリントに移した。
「…何がわかんないの……?」
「……!」
心臓がドクッと一際大きく音を立てた。
彼の口から出る言葉は、彼が近くにいることをより実感させる。
「えぇっと…………」
それから愁夜くんは“さすが学年1位だな"と思わせるような、とても分かりやすい説明をしてくれた。